Q.私の母は日本人でしたが、アメリカ人と結婚し、アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスに在住していました。この度、母が亡くなりましたが、アメリカのフィデリティ証券(Fidelity Securities)に5万ドル程度投資信託を有していて、遺言で受取人を私に指定していたたようです。
このような場合、私が投資信託の財産を相続できるのでしょうか?やはりプロベイト等の裁判手続きが必要なのでしょうか?

A.米国においては、原則として、相続手続きについては、プロベイトという裁判手続きが必要です。

しかし、どんな場合でもプロベイトが必要だとすると、費用、時間がかかりすぎ、不都合な面が多いです。

そこで、例えば、以下のプロベイト回避策を施した財産については、プロベイトを経ることなく、相続人等がこれを承継することができます。

① 生前信託(Living Trust)を設定する

② 受取人を指定する(預金口座のPayable-on-Death Accounts、不動産のTransfer on Death Deedなど)

③ 財産を共有名義化する(Joint TenancyやTenancy by the Entiretyなど)

したがって、上記のような投資信託についても、上記のようなプロベイト防止策を講じていれば、裁判せずに相続財産を受け取ることが可能です。

また、米国の多くの州では、「遺産が一定額以下の場合には、プロベイトは不要、あるいは、簡易版プロベイトを行えば足りる」というルールを州法で定めています。

例えば、上記事例のようなカリフォルニア州での相続のケースでは、15万ドル以下の動産もしくは5万ドル以下の不動産については、プロベイトの代わりに宣誓供述書による簡易な手続きを行えば、相続することができるとしています。

本件の場合、アメリカのフィデリティ証券のPayable-on-Death Accountsで受取人として指定されており、また、評価額も5万ドル程度であることから、上記財産については、プロベイトを経ずに相続財産を受け取ることができます。

とはいえ、重要な財産あり、また国際相続案件でもあることから、本人確認などは厳格に行われます。

また、支払いは通常小切手となるので、換金の手続きについても注意する必要があります。

当事務所では、フィデリティ証券の相続手続き代行サポートや解約サポートを行っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。