Computershareの相続やComputershareの管理する株式のUnclaimed propertyの返還方法

Computershareの相続やComputershareの管理する株式のUnclaimed propertyの返還方法については、よく相談があり、取り戻しのサポートのご依頼があります。

過去にも、当事務所のお客様で、Microsoft,Apple等の上場株式や米国駐在員時代のストックオプション付株式を保有し、Computershareから州(主にカリフォルニア州)へ保有株が没収されたいう事例がありました。

通常はComputershare社から送られてきたレターに沿って手続きをすれば州政府に没収されることはないのですが、レターが英文でややこしいことを書いてるので、手続きをしない方がいるようです。

その後、保有株がUnclaimed propertyとして州政府の管轄になってしまった事を知り、どうしたらよいかわからず、途方に暮れてしまうケースが多いようです。

誤解なきよう申し上げますが、Computershareは、主に上場企業の株式登録および譲渡サービスを提供している有名大企業です。

また同社は証券取引所向けのテクノロジーサービス、株主向けの投資家サービス、および従業員の株式管理等の業務等様々な業務を行っています。

またComputershare社は、英国政府によって認定された保管テナント預金保護スキームである預金保護サービスも実行しています。

しかし、Computershareは、英語で言うと業種はTransfer agent であり、US brokerではないため、Computershareに依頼しても株式などの証券を以前の証券口座にそのまま返すということはできないようです。

つまり、Computershareに株式を保有しており、それが州に移管された場合については、アメリカの証券会社に自己名義の口座を保有していない限り、小切手で日本に返還されることになります。

現在、日本ではほとんどの金融機関で外国小切手の取り扱いはしておりませんので、日本人としては、小切手での受領はしたくないのが正直なところです。

ただ、アメリカの場合は最終資金を海外送金するのではなく、小切手を送付してくることが多いので、外国小切手を受領した後に、日本の金融機関で換金するしかないケースが多いということになります。

Transfer agent(トランスファー・エージェント)とは?

Transfer agent(トランスファー・エージェント)Transfer agentを日本語で言うとすれば、証券名義書換会社といったところでしょうか。一方、証券会社は ABC Securitiesのように表現されますので、証券会社ではないということはご理解ください。

このTransfer agentには、主に3つの役割があります。

1.証券の所有権、所有者の変更履歴の記録
2.企業と株主等との間の仲介事務手続き(例:証券名義人への利息や配当金の分配など)。また、株主総会の招集通知などの書類の送付
3.債券や証券の破損・盗難・紛失した債券の管理や名義変更を一時停止

つまり、イメージとしては、証券関係の事務代行手続きを請け負う会社のようなイメージでとらえればよいかと思います。

当事務所でも、過去に、Transfer agentとやりとりする手続をサポートしたことがございますので、どうぞお気軽にご相談ください。

Lost security(紛失証券)の手続きとは

これも聞きなれない言葉ですね。

最近は少なくなりましたが、債券や株式などの証券が紙で発行されていた場合には、名義変更時に証券原本の提出が必要です。

ただ、結構古いものが多いですし、物理的に保管が必要なので、証券を紛失してしまうこともあります。

このような場合は、証券原本を提出できません。

このようなときには、Lost security(紛失証券)の手続をとる必要があります。

当事務所でも、過去に、証券を紛失してしまった方のLost securityに関する手続をサポートしたことがございますので、どうぞお気軽にご相談ください。